皮膚糸状菌症とは

犬の真菌症(皮膚糸状菌症)

皮膚糸状菌症は、皮膚や毛、爪に感染する真菌症の一種で、特にMicrosporum属やTrichophyton属の皮膚糸状菌が原因となります。この菌は環境中に広く存在し、感染した動物や汚染された物(ブラシ、寝具、土壌)を介して犬に感染します。

(写真はイメージです)

原因

皮膚糸状菌症の発症リスクを高める要因にはいくつかあります。
まず、免疫力が十分でない若齢犬や若齢猫、免疫機能が低下した老犬、老猫は感染しやすく
また、高湿度や汚染された環境も真菌が繁殖しやすく、感染を引き起こす原因となります。

加えて、長毛種や皮膚の手入れが十分でない事も、糸状菌症にかかりやすい要因になります。
重要なのは、皮膚糸状菌症が人や他の動物にも感染する可能性があるため、感染拡大を防ぐための注意が必要であることです。

検査方法

皮膚糸状菌症の診断には、以下の方法が用いられます。

  • 視診と問診
    毛の抜け落ち、赤み、フケなどの病変を確認します。他の動物や汚染環境への接触歴を確認します。
  • ウッド灯検査
    紫外線ライトを使用し、感染部位を照らします。糸状菌が存在すると蛍光緑色に光り、感染の確認に役立ちます。
    ただし、すべての真菌が反応するわけではありません。
  • 毛や皮膚片の顕微鏡検査
    感染部位から毛や皮膚片を採取し、顕微鏡で観察します。菌糸や胞子が確認されれば、感染が疑われます。
  • 真菌遺伝子検査検査
    患部から家の一部を採取し検査センターにて糸状菌の遺伝子を確認します。

治療法

皮膚糸状菌症の治療は、感染部位の除去、真菌の増殖抑制、再感染予防を目的とします。

外用療法

  • 抗真菌シャンプー
  • 抗真菌軟膏
    病変部位に直接塗布し、真菌の増殖を抑制します。

内服療法

  • 抗真菌薬の投与
    重症例や広範囲に感染が広がっている場合、内服薬が処方されます。

環境管理

  • 汚染された環境を清潔に保つことが再感染防止に重要です。寝具やブラシ、床などを適切に消毒します。
  • 真菌は環境中で長期間生存できるため、こまめな掃除が必要です。

他の動物や人への感染予防

  • 感染した動物に触れた後は必ず手を洗うなど、衛生管理を徹底します。
  • 同居する他のペットにも感染が広がる可能性があるため、注意深く観察し、必要であれば一緒に治療を行います。

予防方法

皮膚糸状菌症は適切な治療と環境管理によって改善が期待できますが、治療を途中で中断すると再発の可能性が高まります。特に長毛種や免疫力が低下している動物では再発しやすいので、継続的なケアと獣医師による定期的な診察が重要です。また、環境中の真菌を完全に除去するのは難しいため、再発防止のためには治療後も清潔な環境を保つことが大切です。

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