細菌性疾患(膿皮症)とは

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犬の細菌性疾患(膿皮症)とは、皮膚に細菌感染が発生して起こる感染性の皮膚疾患です。
主にブドウ球菌が原因となりますが、以下の要因が発症に関与します。

(写真はイメージです)

原因

細菌性疾患(膿皮症)は、皮膚の細菌感染、特にブドウ球菌が関与して発症する病気です。
その原因として、まず皮膚のバリア機能が損なわれることが挙げられます。
アレルギーや甲状腺機能低下症といったホルモン異常、さらには寄生虫感染などの基礎疾患が膿皮症を引き起こす一因となります。
さらに、ストレスや加齢による免疫力の低下も発症を助長する要因になります。

検査方法

皮膚検査

  • 細胞診(皮膚擦過検査)
    感染部位の皮膚を擦り取って顕微鏡で観察。細菌、白血球、酵母菌などの確認。
  • 培養検査と感受性試験
    細菌の種類と適切な抗生物質を調べるために行われます。

基礎疾患の特定検査

  • 血液検査
    甲状腺機能低下やクッシング症候群などのホルモン異常を確認。
  • アレルギー検査
    食物や環境アレルギーの有無を調べる。

治療法

細菌性疾患(膿皮症)の治療は、原因と感染の深さ(表面性、表在性または深在性)によって異なります。

  • 内服薬
    感染の程度に応じて獣医師が処方します。
    長期間(3~6週間以上)の投与が必要な場合もあります。
  • 外用薬
    感染部位に軟膏や消毒薬を使用。

基礎疾患の治療

  • アレルギーが原因の場合、アレルゲンを特定し除去(特に食物)。
  • ホルモン異常の場合、適切な治療(ホルモン補充療法など)を行います。

予防方法

治療が成功すると、多くの場合は数週間で改善が見られます。しかし、基礎疾患がある場合は再発のリスクが高いため、定期的なケアが重要です。

  • 犬種や皮膚状態に合った適度な頻度のシャンプー
  • 健康管理、適切な体重維持と栄養バランスの取れた食事
  • 寄生虫対策、定期的な駆虫薬の使用でノミ・ダニ感染を防ぐ。

早期発見・早期治療が膿皮症の進行を防ぐ鍵です。異常が見られた場合はすぐに相談してください。

Second opinion

皮膚科セカンドオピニオン

セカンドオピニオンのご相談

当院では、専門性の高い犬猫の皮膚治療を行っております。
客観的なデータを元に当院としての意見をお伝えします。
データがない場合は、当院で再検査をお受けいたします。
飼い主様の不安を取り除くため、親身に対応させていただきます。

  • 近隣の動物病院様からのご紹介による検査や診療も承っております。
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皮膚科の主な治療疾患

アレルギー性皮膚炎

かゆみや赤み、湿疹などの症状が出る皮膚のアレルギー。食べ物や環境要因(花粉・ハウスダストなど)が原因になることも。適切な診断と治療で、快適な生活をサポートします。

非炎症性の脱毛

炎症がないのに毛が抜けてしまう状態。ホルモン異常や遺伝的要因が関係することがあり、原因を見極めた上で適切な治療が必要です。

  • 毛周期停止(アロペシアX、ポメラニアン脱毛症)
  • 内分泌疾患

皮膚感染症

細菌や真菌(カビ)による皮膚の炎症。かゆみ、赤み、フケ、脱毛などが見られます。早めの治療が大切です。人にも感染するリスクもあります。

皮膚のできもの・イボなど

良性・悪性さまざまな種類があり、見た目だけでは判断が難しいことも。気になるできものは、早めの診察をおすすめします。小さなイボなどは全身麻酔なしで切除することも可能です。

耳の疾患

耳のかゆみ、臭い、赤み、黒い耳垢、痛みなどは外耳炎や耳ダニ感染のサインかも。放置すると慢性化しやすいので、早めの診察をおすすめします。

  • 外耳炎
  • 中耳炎

皮膚の病気参考サイト

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