犬の椎間板ヘルニアのレーザー治療|切らずに緩和する選択肢について解説

犬の背中にレーザー治療をするイラスト

犬の椎間板ヘルニアのレーザー治療|切らずに緩和する選択肢について解説

愛犬が椎間板ヘルニアと診断されたことはありますか?
「椎間板ヘルニアって言われたけど、手術しかないのかな…?」
「高齢だから麻酔が心配で…他の治療法ってないの?」
「痛みを少しでも楽にしてあげたい…」

このように治療方針に悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。

椎間板ヘルニアは、進行度や重症度によって治療法が大きく異なります。
中には手術が必要なケースもありますが、症状の程度によっては手術をせずに痛みの緩和や炎症の抑制を目指す、レーザー治療が選択肢となる場合もあります。

今回は、犬の椎間板ヘルニアに対するレーザー治療について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、椎間板ヘルニアの治療選びの参考にしてください。

犬の椎間板ヘルニアとは?

犬の椎間板ヘルニアとは、背骨の間にあるクッションの役割を持つ椎間板が飛び出し、神経を圧迫してしまう病気です。
足腰のふらつきや痛み、麻痺などの症状が現れることがあります。

椎間板ヘルニアは、特にミニチュア・ダックスフンドなどの胴長短足の犬種に多くみられます。
放置すると足腰が完全に麻痺してしまい、治療も難しくなるため、早期発見と適切な治療が重要です。

椎間板ヘルニアのグレード分類

椎間板ヘルニアは症状の重さによって、以下のようなグレードに分類されます。

グレード1:痛みのみ。歩行や神経反射に異常なし

グレード2:ふらつきなど軽度の神経症状がある

グレード3:自力で立てないが痛み反応はある

グレード4:麻痺が進み、痛み反応も低下

グレード5:深部痛覚が消失し、排尿・排便も困難

グレードが進むほど治療は難しくなり、早期の対応が必要な病気です。
逆にグレード1〜2の段階では、手術をせずに症状を和らげる治療法も検討されることがあります。

獣医師に抱えられるミニチュア・ダックスフンド

椎間板ヘルニアのレーザー治療

椎間板ヘルニアの治療には内服や手術などの選択肢がありますが、近年注目されているのが、体への負担を抑えて行える、低出力レーザーによる治療です。

低出力レーザーは、組織を切ったり焼いたりするものではなく、穏やかな光を患部に当てていきます。
低出力レーザーを当てることで細胞の活性化や血流促進を促し、自然治癒力を高める治療法です。
痛みや副作用が少ないのが特徴で、整形外科や皮膚科領域を中心に多くの症状に利用されています。

犬の椎間板ヘルニアに対しては、以下のような効果が期待できます。

  • 痛みの軽減
  • 炎症の抑制
  • 血流の改善
  • 神経の回復

レーザー治療は基本的に麻酔を必要とせず、数分の照射で済むため、高齢犬や持病のある子にも比較的安全に行える治療です。
治療自体のストレスも少なく、繰り返し行いやすい点もメリットといえるでしょう。

床で伏せをするミニチュア・ダックスフンド

レーザー治療が適応となるケース

椎間板ヘルニアのレーザー治療はどのような場合に適応されるのでしょうか。

主に以下のようなケースで適応されます。

  • グレード1〜2の痛みやふらつきが主体の状態
  • 手術を避けたい、または麻酔リスクが高い犬
  • 内科治療に加えて痛みの緩和や回復の促進を目指したい場合

グレード3以上の症例では、外科手術が必要となることがあります。
椎間板ヘルニアの手術は原因を直接取り除く方法で、重症例では必要不可欠ですが、体への負担が大きく麻酔も必要です。

レーザー治療は軽症例や麻酔リスクがある犬に適した選択肢です。
椎間板ヘルニアの進行の抑制や痛みの緩和、回復の補助を手術せずに行うことができます。

まとめ

椎間板ヘルニアの治療は、症状の重さや犬の年齢、体力などによって最適な方法が異なります。
レーザー治療は、軽度の症例や高齢で手術が難しい犬にとって、痛みの緩和や回復促進を目指せるやさしい治療法のひとつです。

ピース動物病院では、椎間板ヘルニアの状態や体調に応じて、レーザー治療を含めた最適な治療プランをご提案しています。
気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。

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