犬の歯肉口内炎のレーザー治療|痛みや炎症を和らげるには
動物病院で犬が歯肉口内炎だと指摘されたことはありませんか?
歯肉口内炎は、人間でも聞いたことがある病名かもしれません。
歯肉口内炎は犬にも起こりえます。
歯ぐきや頬の内側などに炎症が広がり、強い痛みを伴うこともあるつらい口腔疾患です。
歯肉口内炎の治療には、近年では歯肉口内炎の痛みを軽減し、炎症の回復をサポートするレーザー治療が注目されています。
今回は、犬の歯肉口内炎に対するレーザー治療について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の口腔トラブルへの早めの対応に役立ててください。
歯肉口内炎とは?
歯肉口内炎とは、歯ぐきや口腔内の粘膜に強い炎症が起きている状態を指します。
原因はさまざまですが、次のような要因が複雑に絡んでいることが多いです。
- 歯周病の進行
- 歯石の蓄積
- 口腔内の細菌感染
- 免疫異常や体質的な炎症体質
- ウイルス感染
症状が進むと、以下のような異変が見られるようになります。
- 強い口臭
- 口を触られるのを嫌がる
- よだれが多くなる
- ごはんを食べたがらない
歯肉口内炎は痛みが強く、生活の質が大きく下がってしまう病気です。
歯肉口内炎の治療法と課題
犬の歯肉口内炎に対しては、以下のような治療法があります。
- 歯石除去やスケーリング
- 抜歯(重度の場合)
- 抗生剤や消炎剤の内服
- 免疫抑制剤の投与(慢性・再発例)
ただし、こうした治療では多くの場合、全身麻酔が必要なため、高齢や持病がある犬では麻酔リスクが高いことが課題です。
また投薬では根本的に治らないこともあるため、補助的に痛みや炎症を抑える治療法が求められるようになっています。
レーザー治療とは?
当院でも導入している低出力レーザーは、口腔内の炎症や痛みの緩和にも応用されることがあります。
このレーザーは、患部にやさしく照射することで次のような効果が期待できます。
- 炎症の抑制
- 痛みの軽減
- 血流の改善による回復促進
- 細菌抑制効果
レーザー治療は炎症や痛みを抑えることができるため、歯肉口内炎の治療としても有効です。
口腔内の粘膜はデリケートな組織ですが、低出力レーザーであれば熱感や刺激も少なく、安全に照射が可能です。
数分程度の照射で終わるため、麻酔をかけずに行えるケースもあり、体への負担が少ないというメリットがあります。
どんな犬におすすめ?
歯肉口内炎に対するレーザー治療は、次のような状況で特に役立ちます。
- 軽度〜中等度の歯肉口内炎と診断された犬
- 手術や抜歯が必要だが、すぐには麻酔が難しい犬
- 麻酔ができない高齢犬や持病のある犬
- 処置後の回復を少しでも早めたい犬
- 痛みが強く、投薬だけでは生活の質が落ちている犬
また、レーザー治療は歯石除去後の再発予防の一環としても用いられることがあります。
レーザー治療は単独?他の治療と併用?
レーザー治療は、歯肉口内炎の補助的な治療として位置づけられることが多いです。
すでに歯石が大量についている場合や、歯周病が進行している場合は、やはり歯石除去や抜歯などの処置がメインになることもあります。
そのうえで、術後の痛みをやわらげたり、抗生剤や消炎剤の効果を補助する目的として、レーザー治療が組み合わされることが増えています。
まとめ
犬の歯肉口内炎は、放っておくと強い痛みや食欲不振につながる深刻な疾患です。
治療には麻酔や外科的処置が必要になるケースもありますが、体に負担の少ないレーザー治療を補助的に取り入れることで、回復をサポートできる可能性があります。
ピース動物病院では、犬の症状や体調に応じて、麻酔を伴う処置だけでなく、低出力レーザーによる治療もご提案しています。
「最近ごはんを食べづらそう」「口を気にしている」など気になるサインがあれば、早めにご相談ください。
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