犬の傷の回復を早めるレーザー治療とは?|体にやさしい治療方法を紹介

エリザベスカラーをつけているシーズー

「うちの犬がケガをしたけど、できるだけ早く治してあげたい」
「傷口の治りが悪い気がするけど、何かできることはないかな?」
「手術後の回復をサポートできる方法ってあるの?」

このように、犬のケガや手術後の回復について心配される飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

近年、動物医療では傷の回復をサポートする方法のひとつとして、レーザー治療が注目されています。
痛みや負担をほとんどかけずに、自然治癒力を高めることができるため、幅広い症例で活用されています。

今回は、犬の傷の治癒を促すために使われるレーザー治療について詳しくご紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、万が一のケガや手術後のケアに役立ててください。

犬の傷は意外と治りにくい?

犬の皮膚や組織は人間に比べて強い反面、一度傷を負うとなめたり、引っかいたりして治りが遅くなってしまうことがよくあります。

また、以下のような要因があると、さらに治癒が遅れることがあります。

  • 高齢化による自然治癒力の低下
  • 感染症のリスク(細菌感染など)
  • 基礎疾患(糖尿病、免疫疾患など)の影響
  • 慢性炎症や外的刺激の繰り返し

特に手術後の傷口や、大きな皮膚欠損を伴うケガでは、少しでも早く、かつきれいに治すためのサポートが重要になります。

腹部に手術の傷がある犬

レーザー治療とは?

ピース動物病院で行っている傷へのレーザー治療は、低出力レーザーを使用しています。
低出力レーザーは、患部にやさしい光を当てることで次のような効果を期待できます。

  • 細胞の新陳代謝を促進
  • 血流を改善して酸素や栄養素の供給を促す
  • 炎症を抑制し、腫れや痛みを軽減する
  • コラーゲン産生を促して皮膚の修復を助ける

これにより、自然な治癒過程をサポートしながら、傷の回復を早めることができます。

低出力レーザーは痛みや熱感がほとんどなく、短時間での施術が可能です。そのため、犬にストレスをかけずに治療を行える点が大きなメリットです。

どんな傷に使われるの?

レーザー治療が効果的とされる傷や状況には、次のようなものがあります。

  • 手術後の傷口の回復促進
  • 打撲やすり傷、切り傷などの外傷
  • 慢性的な傷(皮膚潰瘍など)
  • 炎症を伴う皮膚病変
  • 口腔内の傷や処置後の回復サポート

特に、なめ壊しや掻き壊しによる皮膚トラブルや手術後の傷口では、早期に治癒を促すことで二次感染のリスクを減らすことができます。
このような場合には、レーザー治療が非常に有効です。

カラーをつけて飼い主の上で横になる犬

レーザー治療の流れと注意点

レーザー治療は、次のような流れで行われます。

  1. 診察と患部の状態チェック
  2. レーザー照射の計画
  3. 数分間のレーザー照射

レーザー治療は通常は麻酔が不要で、痛みもほとんどありません。
麻酔を使わないため治療を繰り返しやすく、数回にわたる継続的な照射を行うことで、治癒効果がより高まる場合もあります。
また、傷の程度や治癒の進み具合によっては、内服薬や外用薬などの他の治療と併用することもあります。

注意点としては、傷の深さや感染の有無によってはレーザー単独では不十分な場合もあるため、獣医師の診断のもとで適切な治療計画を立てることが大切です。

まとめ

犬の傷は、見た目以上に治癒に時間がかかることもあります。
できるだけ早く、そして負担なく回復を促すために、低出力レーザーによる治療は有効な選択肢のひとつです。

ピース動物病院では、手術後のケアやケガの治療にもレーザー治療を積極的に取り入れています。
「傷の治りが遅い気がする」「手術後の回復をサポートしたい」と感じたときは、ぜひお気軽にご相談ください。

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