麻酔のリスクが高い犬にもレーザー治療はできる?|負担を抑えた選択肢を紹介
持病や年齢の関係で、麻酔を使った処置が難しい犬の治療について悩まれたことはありませんか?
そんなとき、注目される選択肢のひとつが低出力レーザー治療です。
体への負担が少なく、麻酔を必要としないケースもあるレーザー治療は近年注目を集めています。
今回は、麻酔リスクが高い犬に対してどのようにレーザー治療が活用されるのか、わかりやすくご紹介します。
ぜひ最後までお読みになっていただき、レーザー治療を治療の選択肢の一つにするきっかけにしてみてください。
犬の「麻酔リスクが高い」とは?
犬に麻酔をかける際、一般的には問題なく安全に行えることが多いですが、年齢や持病の有無によってリスクが高まるケースもあります。
以下のような犬は、麻酔の影響を受けやすいとされています。
- 高齢犬(シニア期以降)である
- 心臓疾患(僧帽弁閉鎖不全症など)を持っている
- 腎疾患や肝疾患などの内臓トラブルがある
- 呼吸器系の持病がある
- 過去に麻酔トラブルを起こしたことがある
こうした犬では、一般的な外科手術やスケーリングなどの処置を安全に行うのが難しい場合もあります。
レーザー治療とは?麻酔なしでもできるの?
レーザー治療は、炎症や痛みをやさしく緩和し、回復をサポートすることを目的とした治療法です。
レーザーを照射するだけなので、基本的には痛みや熱感はなく、麻酔や鎮静を必要としないケースがほとんどです。
治療自体も数分で終了し、犬へのストレスが少なく済みます。
そのため、高齢犬や持病のある犬にも安心して使える補助治療のひとつとして活用されています。
どんな症状に使われている?
レーザー治療は、麻酔や鎮静を必要としない、もしくは極めて軽度の対応で済むケースが多い治療法です。そのため、心臓や腎臓などに不安を抱える犬にも検討されることがあります。具体的にはどのような症状に使われるのでしょうか。
皮膚表面にできた腫瘤(イボやできものなど)の除去
小さく限局した腫瘤であれば、局所のみの処置で済み、麻酔を使わずに切除できることもあります。
皮膚の傷の治癒促進
慢性的な皮膚炎やアトピーによる傷を、レーザーで補助的にケアすることで回復を早めることができます。
関節炎や椎間板ヘルニアに伴う痛みの緩和
関節炎や椎間板ヘルニアなどの痛みを伴う整形疾患に対して、非侵襲的に照射することで痛みのコントロールや回復のサポートを図ります。
術後の傷や炎症部位の回復サポート
抜歯後や体表腫瘤切除後のケアとして、傷の回復を促す目的で照射されることもあります。
レーザー治療だけで治せるの?
レーザー治療で重要なのは、あくまで補助療法という位置づけであることです。
たとえば、悪性腫瘍の切除や重度の歯周病の治療などでは、やはり麻酔をかけた外科処置が必要になる場合もあります。
しかし、次のような場合にはレーザー治療だけでも有効です。
- 軽度の関節炎や皮膚炎
- 炎症部位のかゆみや痛みの緩和
- 小さな傷や手術部の回復サポート
- 薬の量をできるだけ減らしたいときの補助療法
犬の状態によって「レーザー治療だけで対応できる」「必要であれば最小限の鎮静だけで行える」など、犬の体調に合わせた治療計画を立てることが可能です。治療方法や、麻酔の有無に関しては獣医師とよく相談してみましょう。
まとめ
年齢や病気の影響で麻酔リスクが高い犬にとって、「治療したいけどどうすればいいのか」と悩むことは少なくありません。
そんなとき、負担をかけずに痛みや炎症をやわらげることができるレーザー治療は、選択肢のひとつになります。
ピース動物病院では、犬の体調やご家族のご希望に応じて、麻酔を避けた治療のご提案も行っています。
「手術は難しいけど、少しでも楽にしてあげたい」などのお悩みをお持ちの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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