犬の避妊・去勢手術にレーザーは使える?|傷の痛みや出血を抑える新しい選択肢

手術のためにお腹の毛を剃ってカラーをしているトイプードル

犬の避妊・去勢手術にレーザーは使える?|傷の痛みや出血を抑える新しい選択肢

痛みや術後の傷が心配で避妊・去勢手術を前に不安や迷いを感じている飼い主様は多いのではないでしょうか。
そんな中、近年注目されているのがレーザー手術を使った避妊・去勢手術という新しい選択肢です。

今回は、犬の避妊・去勢手術におけるレーザーの活用について、わかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、避妊・去勢手術を受けるうえで最適な手術方法を選ぶ参考にしてください。

避妊・去勢手術の目的とは?

避妊・去勢手術は、繁殖を望まない場合だけでなく、以下のような健康上のメリットを目的に行われることがあります。

  • ホルモン関連疾患の予防(乳腺腫瘍、前立腺肥大、子宮蓄膿症など)
  • 発情に伴うストレスの軽減
  • マーキングや攻撃性などの行動面の改善
  • 望まれない繁殖の防止

これらのメリットから、犬では生後6〜12か月頃に手術を受けることが推奨されています。

もちろん1歳をすぎてから避妊・去勢手術を受けることも可能ですが、病気の予防効果が落ちることもありますので、できるだけ早く手術するのがおすすめです。

動物病院の手術室の無影灯ライト

レーザー手術とは?通常のメスとの違い

避妊・去勢手術では、通常電気メスや鋭利な手術用メスが使われます。これらの代わりにレーザーメスを使用することで、出血や痛みをさらに抑えることが可能です。

レーザー手術と通常のメスを使った手術との違いは以下の通りです。

通常の手術レーザー手術
切開方法手術用メスで切るレーザーで切開
出血切開時に出血が生じる同時に血管を焼灼するため出血が少ない
炎症・腫れ術後に炎症・腫れが出ることも炎症が抑えられやすく、痛みも軽減されやすい
感染リスク傷口から細菌が入るリスクありレーザーによる殺菌効果で感染リスクが低い
回復の早さ通常の回復ペース傷の治りが比較的早いことがある
傷跡場合によっては残ることも傷口がきれいに治る傾向

このように、避妊・去勢手術そのものの内容は変わらなくても、切開や止血の方法、術後の回復に違いがあります。

犬への負担を最小限に抑えるための手段として、レーザー機器による避妊・去勢手術を行う動物病院も増えています。

診察台の上で診察を受けるラブラドールレトリバー

注意点はあるの?

レーザーによる手術はあくまで切開と止血の手法が異なるだけであり、全身麻酔が必要である点は変わりません。
しかし、レーザーの使用により手術中の痛みや出血を抑えられるため、麻酔の量を少なくできる可能性があります。

注意すべきポイントとしては

  • レーザー設備が整っていない動物病院では対応不可な場合がある
  • 術後ケアは通常手術と同様に必要(エリザベスカラー、安静期間など)
  • 症例によっては通常の手術が適している場合もある

などがあります。

手術方法はあくまで選択肢の一つです。犬の状態や病院の設備に応じて、最適な方法を選ぶことが大切ですね。

レーザーによる手術はどんな犬に適している?

レーザーによる手術は多くの犬に適用可能ですが、高齢や持病のある犬で麻酔リスクを最小限にしたい場合や、出血リスクをできるだけ抑えたい場合には特に適しています。
レーザー手術に対応していない病院もあるため、レーザーによる手術をご希望される場合は事前に相談しておくことが大切です。

まとめ

避妊・去勢手術は、犬の健康と安心のために欠かせない処置の一つです。
そして、その方法の選択肢として、レーザー手術という負担の少ない手段があります。
レーザー手術は従来の手術と比べてメリットも多くありますが、対応していない病院もあるため事前に相談しておくことが大切ですね。

当院では、レーザーを活用した避妊・去勢手術のご提案も行っています。
「術後の痛みをできるだけ少なくしてあげたい」「出血や腫れが心配」そんな飼い主様は、ぜひ一度ご相談ください。

よくあるご質問(Q&A)

Q1. 犬の避妊・去勢手術でレーザーを使うメリットはありますか?

A. レーザーを使うことで出血が少なく、傷の腫れや痛みが抑えられるため、回復が早くなるのが大きなメリットです。

Q2. レーザー手術はすべての犬に向いていますか?

A. 基本的に多くの犬に適応可能です。
麻酔リスクが高い子や出血を抑えたい場合に特に適しています。

Q3. レーザー手術でも麻酔は必要ですか?

A. 避妊・去勢手術は全身麻酔が必要な処置です。
レーザー使用により麻酔時間を短縮できる可能性があります。

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