犬が散歩後に足をなめる原因は?|考えられる原因、対策について解説

犬が散歩後に足をなめる原因は?|考えられる原因、対策について解説

「犬が散歩から帰ってから足をなめてるけど、何が原因?」
「犬が足をなめている時の対策はある?」
「動物病院への受診の目安は?」
上記のようなことが気になる飼い主様もいらっしゃるかと思います。
犬が散歩後に足をなめているときは皮膚のトラブルが起こっているかもしれません。

今回は犬が足をなめる原因と対策について解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、犬が散歩後に足をなめた時の対応法を知ってください。

散歩をしながら飼い主を見る柴犬

犬が足をなめる原因

犬が散歩後に足をなめる主な原因は、接触性皮膚炎や異物です。
また、犬が散歩後に足をなめることにより、細菌性皮膚炎(膿皮症)を起こすことがあります。

散歩後だけでなく、常になめたり、痒がったりしているようであれば、アトピー性皮膚炎やマラセチア性皮膚炎の可能性もあるので注意が必要です。

以下でそれぞれについて解説していきましょう。

接触性皮膚炎

犬が散歩後に足をなめる原因の一つとして、接触性皮膚炎が挙げられます。
散歩中に

  • 植物
  • 除草剤などの薬剤
  • 洗剤

などが足先の皮膚に触れることで炎症が起こることがあります。
外部からの刺激が原因となるため、比較的急に症状が出るのが特徴です。

接触性皮膚炎の症状は、

  • 赤み
  • 痒み
  • 水ぶくれ
  • 脱毛

などが挙げられます。
水ぶくれ、脱毛は症状が悪化すると現れることがあります。

散歩のあとなどの特定のタイミングで繰り返し症状が出る場合は、接触性皮膚炎かもしれませんね。
接触性皮膚炎は外用薬や内服薬で内服薬で炎症を抑える治療が必要になることもありますが、まずは原因となる物質との接触を避けることが大切です。

異物

散歩後に足をなめるもう一つの主な原因は異物です。
散歩中に小さな異物が足に刺さったり、挟まったりすることで、犬が足に違和感を覚えてなめてしまうこともあります。

異物による症状では、

  • 突然足をあげる
  • 足をしきりに舐める
  • 出血する
  • 腫れる

などが見られることがあります。
異物が小さくても上記のような症状が見られることがあるため注意して観察してみましょう。

異物によって足を舐めている場合は、異物を除去することが重要です。
ただし、ご家庭で無理に取ろうとせず、動物病院でチェックしてもらう方が安全ですね。
感染がある場合は、抗菌薬を使用することもあります。

細菌性皮膚炎(膿皮症)

接触性皮膚炎や異物が原因で、細菌が足の皮膚に感染して細菌性皮膚炎を起こすことがあります。

細菌性皮膚炎の症状としては、

  • 赤いぶつぶつとした発疹
  • 膿がたまったような皮膚のふくらみ
  • 強い痒み

などが挙げられます。
細菌性皮膚炎は悪化すると膿が広がり、慢性的に繰り返すこともあるため、早めの治療が重要です。
細菌性皮膚炎が慢性化すると治療に時間がかかるため、散歩後の違和感が気になった場合は早めに動物病院へ相談しましょう。

犬アトピー性皮膚炎

もし犬が散歩後に限らず、普段から足先を気にしてなめている場合は、犬アトピー性皮膚炎になっている可能性があります。
アトピー性皮膚炎は、犬の代表的な慢性皮膚疾患の一つです。

  • 遺伝的な体質
  • 環境中のハウスダスト
  • 花粉

などが原因になります。
若い時期(1〜3歳くらい)から発症しやすく、柴犬やフレンチブルドッグなどの特定の犬種で好発です。
犬アトピー性皮膚炎は、散歩時の刺激がきっかけでかゆみが強くなるケースもあるため注意が必要ですね。

マラセチア性皮膚炎

マラセチア性皮膚炎は、犬の皮膚に常在する酵母菌であるマラセチアが異常に増えることで起こります。
特に、足の指の間や足裏の湿った部分で起こりやすく、散歩後に悪化することも。

  • 指の間をよくなめる
  • 足がベタついてニオイがある
  • 赤みや脱毛、皮膚の黒ずみがある

このようなサインがある場合は、抗真菌薬や薬用シャンプーによる治療が必要になります。

ご家庭での対策

森の中で木の上を歩く犬

犬が足をなめるようになる原因はさまざまです。
多くは皮膚のトラブルが背景にあることがあります。
皮膚のトラブルを防ぐためにご家庭でできることとして、以下のようなことがあります。

足先を軽く洗う・拭く

犬の散歩後に足先を軽く洗いましょう。
洗いすぎ・シャンプーしすぎは症状が悪化する可能性があるため、水洗いで十分です。
濡れタオルで軽く拭くのも効果的ですね。

タオルでよく乾かす

足先を洗った後や雨の日の散歩後はタオルでよく足を拭いて乾かしましょう。
足が湿ったまま放置していると、マラセチアや細菌が増えやすくなります。

散歩後に毎回チェックする

散歩後の犬の足に赤み、腫れ、出血、異物がないか軽く観察しておきましょう。

足裏の毛を手入れする

被毛が長い犬は、指間の通気性を保つためにも毛を短く整えておくと良いでしょう。
毛が短くなれば散歩中に異物が足に付着する可能性も減りますね。

動物病院へいく目安は?

犬に次のような状態がある場合は、自己判断せずに受診することがおすすめです。

  • ずっと足をなめ続けている
  • 足が赤く腫れている
  • 足裏から出血している
  • 歩き方に違和感がある
  • 足の皮膚がただれている

散歩後に犬が足をなめている場合は、原因によって治療方法も大きく異なります。
早めの診断と治療を受けることが回復への近道です。

まとめ

森の中で遠くを見つめる犬

いかがでしたか?
犬が散歩後に足を舐める原因はさまざまです。
ときには重度の皮膚炎に進行してしまうケースもあるため注意が必要です。
散歩後には日頃からのケアと観察を習慣にしつつ、気になる症状があれば動物病院へご相談ください。

当院では、皮膚疾患の治療に力を入れております。
犬の散歩後の行動に違和感を感じた場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

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