犬の毛包虫症とは?|症状や治療法について解説

顔をかく犬

「気づいたら愛犬の皮膚が脱毛していた」
「最近フケが気になってきた」
「皮膚が赤くプツプツしているのが気になる」
このように愛犬の皮膚の異変に気づき、不安になったことはありませんか?
脱毛やフケが出る背景には、毛包虫症という皮膚の病気が隠れているかもしれません。
少しフケが気になるだけだからと放置してしまうと、症状が悪化したり病変が広がる可能性があります。
犬の毛包虫症は病態によっては適切な治療が必要です。

今回は犬の毛包虫症について、症状や治療法などを詳しく解説していきます。
犬の飼い主さまはぜひ最後まで読んでいただき、愛犬の皮膚の健康を保つために参考にしていただければ幸いです。

毛包虫症とは

犬の毛包虫症は、「ニキビダニ(毛包虫)」が異常に増殖することで起こる皮膚病です。
ニキビダニは健康な犬の毛包にも存在する常在寄生虫であり、通常は悪さをしません。
しかし、免疫機能の未熟な子犬や、何らかの病気によって免疫力が低下した犬ではニキビダニが過剰に増殖し、脱毛や赤みなどの皮膚症状を引き起こします。

犬の毛包虫症は、大きく分けると

  • 若齢犬でみられる若年性毛包虫症
  • 基礎疾患が関与することが多い成年性毛包虫症

の2種類です。

若年性では、皮膚の免疫機能が十分に発達していないことが原因となることが多いです。
成年性では皮膚の免疫力低下を生じる疾患を持っていることなどが原因としてあります。

成年性の基礎疾患となる主な疾患は以下の通りです。

  • 内分泌疾患(副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症)
  • 悪性腫瘍
  • 医原性副腎皮質機能亢進症(ステロイドの過剰投与)
床に伏せる犬

犬の毛包虫症の症状

犬の毛包虫症では、脱毛や赤みなどの症状がみられます。
症状は一部だけに現れる「限局性」と、全身に広がる「汎発性」に分けられます。

限局性の毛包虫症

限局性では、顔や前肢など部分的に赤みを伴った脱毛がみられます。
痒みは比較的軽度であることが多く、痒みが出ない場合もあります。
限局性の毛包虫症は、特に6か月未満の若い犬に発症が多いです。

汎発性の毛包虫症

汎発性は限局性より症状が重度で痒みも強く、広範囲に発症します。
汎発性の場合にみられる主な症状を以下にあげます。

  • 重度なフケ
  • 紅斑
  • 丘疹
  • 脱毛
  • 色素沈着

また、汎発性は細菌感染が併発することも多いです。
細菌感染を起こすと、膿が出たり、強い痛みも伴います。
このような症状が見られたら早めに病院に連れて行きましょう。

犬の毛包虫症の治療

犬の毛包虫症の治療は症状の広がりや基礎疾患の有無などによって異なります。

限局性の若年性毛包虫症では自然に改善することもありますが、症状が広がる場合や改善がみられない場合には治療が必要です。
一方、汎発性毛包虫症や成年性毛包虫症では自然治癒は期待しにくく、積極的な治療を行います。
主な治療は

  • 駆虫薬
  • 薬用シャンプー
  • 抗菌薬(細菌感染がある場合)

などです。
成年性の場合は、背景に基礎疾患が隠れていることも多いため、平行して基礎疾患に対しての治療も必要になるでしょう。

クッションで横になる犬

飼い主さまが予防としてできること

犬の毛包虫症を完全に予防する方法はありません。
しかし、皮膚の状態を日頃から観察し、異常に早く気付くことが重症化を防ぐポイントです。
特に

  • 脱毛
  • 赤み
  • フケ
  • におい
  • かゆみ

などがみられたら早めに受診しましょう。

また、定期的なシャンプーやブラッシングによって皮膚を清潔に保つことも皮膚環境の維持につながります。
普段愛犬の皮膚に触れることが多いクッションやベッドなどもこまめに洗濯するといいでしょう。
成年性毛包虫症では基礎疾患が隠れていることも多いため、中高齢犬では健康診断を受けることも大切です。

毛の長い犬などは被毛に隠れてしまって皮膚の状態の変化に気づきにくいかもしれません。
普段から愛犬とよくコミュニケーションをとり、早めに皮膚の異変に気づけるといいですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は犬の毛包虫症について、原因や症状、治療法などを解説しました。
犬の毛包虫症は、ニキビダニが異常に増殖することで起こる皮膚病です。
若齢犬では自然に改善することもありますが、症状が広がる場合や成年性では積極的な治療が必要になります。
特に成年性毛包虫症では基礎疾患が隠れていることもあるため、脱毛やフケなどの異変に気付いたら早めに動物病院を受診しましょう。

当院では犬の皮膚診療にも力を入れています。
愛犬の皮膚トラブルで何か気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

よくあるご質問(Q&A)

Q.犬の毛包虫症は自然に治ることがありますか?

A.犬の若年性の限局性毛包虫症の場合は自然に治ることがあります。
一方で、症状が広がる場合や成年性毛包虫症では自然治癒は期待しにくく、治療が必要になることが多いため、皮膚の変化が続く場合は動物病院を受診しましょう。

Q.犬の毛包虫症ではどのような症状が見られますか?

A.犬の毛包虫症では、脱毛や赤みなどの症状がよく見られます。
汎発性になると、かゆみや色素沈着、細菌感染による膿や痛みを伴うこともあります。
症状が広範囲に及んでいる場合は早めの受診がおすすめです。

Q.犬の毛包虫症を予防する方法はありますか?

A.犬の毛包虫症を完全に予防する方法はありません。
しかし、日頃から皮膚の状態を観察し、脱毛や赤み、フケなどの異変に早く気づくことが重症化の予防につながります。
定期的なシャンプーやブラッシング、中高齢犬では健康診断を受けることも大切です。

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