犬の耳を触ると嫌がる理由とは?|考えられる原因と正しい対処法を詳しく解説

愛犬の耳を触ろうとしたときに、顔をそむけて逃げてしまったり、嫌がる様子はないでしょうか。
「以前は平気だったのに急に嫌がるようになった」
「耳掃除ができなくて困っている」
「耳が痒そうだけど耳の中を見せてくれない」
という悩みをもつ飼い主さんもいらっしゃるかと思います。
犬が耳を触られるのを嫌がるのには、単なる性格だけでなく病気や痛みが隠れている場合もあります。

この記事では、犬が耳を触ると嫌がる理由や考えられる病気、自宅でできる対処法、動物病院を受診すべきタイミングまで詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みいただき、愛犬が耳を触られるのを痛がっている場合にお役立てください。

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犬が耳を触ると嫌がる主な理由

犬が耳を触られるのを嫌がる理由は、大きく分けて以下の5つの可能性があります。
それぞれ詳しく解説しましょう。

耳に痛みや炎症がある

犬が耳を触られるのを嫌がる場合、最も注意したい原因が耳の病気です。
耳の中で炎症が起きていると、軽く触れただけでも痛みを感じることがあります。
特に今まで平気だったのに急に耳を触られるのを嫌がるようになってきた場合には耳のトラブルを疑います。
犬に以下の症状が見られる場合は注意が必要です。

  • 耳を頻繁にかく
  • 頭を何度も振る
  • 耳から嫌な臭いがする
  • 黒や茶色の耳垢が大量に出る
  • 耳が赤く腫れている

これらの症状がある場合は、外耳炎などの可能性があります。

過去に嫌な経験をしている

耳掃除などの際に痛い思いをした犬は、「耳を触られる=怖い」と学習してしまうことがあります。
例えば、

  • 無理やり耳掃除をした
  • 耳毛を急に抜いた

などが原因になるケースがあります。
一度苦手意識を持つと、耳に手を近づけるだけでも嫌がるようになることがあります。

子犬の頃から慣れていない

犬は社会化期にさまざまな刺激へ慣れることが大切です。
基本的に犬は、

  • 口周り
  • 足先

などといった場所を触られるのは苦手です。
子犬の頃に耳を触られることに慣れていない犬は、大人になってからも触られることを嫌がる傾向があります。

性格によるもの

警戒心が強い犬や神経質な性格の犬は、耳だけでなく体全体を触られることを苦手とする場合があります。
例えば柴犬や秋田犬などは、個体差はあるものの元々の気質として撫でられたりなどのスキンシップを嫌がる場合が多いです。
もちろん犬種だけで判断することはできず、育った環境や性格も大きく影響します。

加齢による変化

犬が高齢になると、

  • 聴力の低下
  • 視力の低下
  • 神経の変化(神経過敏など)

などによって、急に耳周辺を触られることを嫌がる場合があります。
見えない方向から急に触られることで驚いてしまう犬もいるため注意が必要です。

耳を触ると嫌がるときに考えられる病気

急に耳を触られるのを嫌がるようになったり、耳を触ることを極端に嫌がる場合は、何かしらの原因が潜んでいる可能性があります。
主な原因疾患をそれぞれ解説していきましょう。

外耳炎

外耳炎になると痛みから耳を触られると嫌がることがあります。
外耳炎は犬の耳の病気で最も多いものです。
細菌や酵母菌(マラセチア)の感染、アレルギーなどが原因で耳に炎症が起こります。
外耳炎の主な症状は以下のようなものです。

  • 耳の強い痒み
  • 耳の赤み
  • 耳の悪臭
  • ベタついた耳垢
  • 頭を振る

外耳炎は治療が遅れると慢性化しやすいため、早めの受診と治療が大切です。

中耳炎

中耳炎は鼓膜の奥の中耳に炎症が起きる病気です。
中耳炎も耳に強い痛みが起きるため、耳を触られることを嫌がることが多いです。
中耳そのものに何かしらの問題がある場合と、外耳炎が悪化して起きる場合があります。
初期には外耳炎と同様の症状が見られますが、悪化すると、

  • 耳を強く痛がる
  • 頭を傾ける(斜頸)
  • 眼が揺れる(眼振)
  • 食欲がなくなる

といった症状が見られる場合もあるため注意が必要です。

耳ダニ(耳疥癬)

耳ダニが寄生すると強い痒みが起こります。
痒みや違和感から、犬は耳を触られるのを嫌がることがあります。
耳ダニがいる場合には、黒い耳垢が大量に見られることが特徴です。
子犬や他の犬と触れ合う機会が多い犬では比較的多く見られます。

異物が入っている

散歩中に草の種などの異物が犬の耳に入り、痛みや違和感を感じることがあります。
そのような場合にも、犬は耳を触られると嫌がることがあります。
特に散歩後などに突然耳を気にし始めた場合は、異物混入の可能性もあるかもしれません。

獣医師に耳を覗かれる子犬

犬が耳を触られるのを嫌がるときの対処法

犬が耳を触られるのを嫌がる原因が耳の病気の場合には、まず治療をしっかり受けましょう。
日常のお手入れの際に嫌がってしまう場合には、以下のような対処をご自宅で行ってみてください。

少しずつ慣らす

最も重要なのは、押さえつけたりなど無理に耳を触ろうとしないことです。
無理やり耳掃除をすると、

  • 恐怖心が強くなる
  • 飼い主への信頼が低下する
  • 噛みつき事故につながる

といったような可能性があります。
犬の耳を触る練習は、

  • 顔を触る
  • 耳の横を触る
  • 耳を軽く触る
  • 耳をめくる
  • 耳掃除用品を見せる

のように、段階的に行うようにすると良いでしょう。
各段階でおやつを与え、「耳を触られると良いことがある」と覚えてもらいましょう。

ご褒美を活用する

上記のような耳を触るトレーニングで、おやつを使うと学習がスムーズになります。
耳を少し触れたら褒めてご褒美を与えることを繰り返しましょう。
また、トレーニングは犬が飽きたり嫌になったりしないように短時間で終わらせることも成功のポイントです。

耳掃除はやりすぎない

耳掃除のしすぎは皮膚を傷つけ、逆に外耳炎の原因になることがあります。
健康な犬では頻繁な耳掃除が不要な場合もあります。
耳垢が多い犬や垂れ耳の犬は、獣医師の指導に従って適切な頻度でケアしましょう。

動物病院を受診すべき症状

犬が耳を触られるのを嫌がるだけでなく、以下の症状がある場合はできるだけ早く動物病院を受診しましょう。

  • 耳を触ると痛がる
  • 強い悪臭がある
  • 耳垢が急に増えた
  • 血が出ている
  • 頭を振り続ける
  • 耳が腫れている

また市販の点耳薬を自己判断で使用すると、悪化してしまうケースもあるため注意が必要です。
必ず獣医師の指示のもと、治療やケアを行なっていくようにしましょう。

犬の耳の拭き取り掃除をする女性

まとめ

犬が耳を触ると嫌がる理由には、性格や慣れだけでなく外耳炎などの病気が隠れている場合があります。
普段は平気だった犬が急に嫌がるようになった場合は、痛みや炎症を疑ってみましょう。
まずは耳の状態を確認し、異常があれば早めに動物病院を受診することが大切です。
また、日常的におやつを使ったトレーニングで少しずつ耳を触られることに慣らしていくことで、将来的なケアもしやすくなります。
日頃から優しく耳に触れる習慣をつくり、愛犬が安心してケアを受けられる環境を整えてあげましょう。

当院は皮膚科・耳科診療に力を入れています。
愛犬が耳を触られるのを嫌がる場合や、普段のお手入れの仕方までいつでもご相談ください。

よくあるご質問(Q&A)

Q.犬が急に耳を触られるのを嫌がるようになった場合は病気の可能性がありますか?

A.犬が急に耳を触られるのを嫌がるようになった場合は、外耳炎や中耳炎などの病気が隠れている可能性があります。
耳の赤みや悪臭、耳垢の増加、頭を振るといった症状がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

Q.犬が耳を触られるのを嫌がるときに無理に耳掃除をしてもよいですか?

A.犬が嫌がる場合は無理に耳掃除をしないでください。
恐怖心が強くなったり、噛みつき事故や耳の傷につながったりするため、まずは病気がないか確認し、少しずつ触られることに慣らしましょう。

Q.犬の耳掃除は毎日したほうがよいですか?

A.健康な犬では毎日の耳掃除が必要ない場合もあります。
耳掃除のしすぎは皮膚を傷つけて外耳炎の原因になることがあるため、犬の耳の状態に合わせて獣医師の指導のもとで行いましょう。

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