疥癬について

犬の疥癬は、ヒゼンダニによって引き起こされる寄生虫性皮膚疾患です。このダニは犬の皮膚に寄生し、激しいかゆみと皮膚炎を引き起こします。疥癬は非常に伝染力が強く、他の犬や動物、人間にも感染する可能性があります。以下に、犬の疥癬について詳しく説明します。

原因

疥癬はヒゼンダニが皮膚に寄生することで発生します。これらのダニは皮膚の角質層にトンネルを掘り、そこで卵を産みます。孵化した幼虫は皮膚表面に戻り、再びトンネルを掘り成虫になります。このサイクルが繰り返されることで症状が進行します。

症状

疥癬の症状は以下の通りです：

激しいかゆみ：
特に耳、肘、腹部、胸部に多く見られます。
紅斑（赤い斑点）：
かゆみのある部位に発生します。
脱毛：
持続的な掻きむしりによって毛が抜けます。
かさぶたや膿疱：
感染部位に見られます。
皮膚の肥厚：
慢性的な炎症によって皮膚が厚くなることがあります。

診断方法

疥癬の診断は以下の方法で行われます：

皮膚スクレイピング：
皮膚の表面を削り取り、顕微鏡でダニを確認します。疥癬ダニは皮膚の深層にいるため、診断が難しいことがあります。
臨床症状：
典型的な症状と部位、かゆみの激しさなどから疥癬を疑うことができます。
反応治療：
診断が難しい場合、疥癬治療を行って症状が改善するかどうかを確認することがあります。

治療方法

疥癬の治療は以下のように行います：

抗寄生虫薬：
イベルメクチン、ミルベマイシン、セラメクチンなどが用いられます。これらは通常、数週間にわたり投与されます。
二次感染の治療：
皮膚の損傷から細菌感染が起こることがあり、抗生物質が必要になる場合があります。

予防方法

疥癬の予防は難しいですが、以下の対策が有効です：

感染犬との接触を避ける：
疥癬は非常に伝染力が強いため、感染犬との接触を避けることが重要です。
環境の清掃と消毒：
ダニは環境中で生存することができるため、犬の寝床や使用する物品を清掃・消毒します。
定期的な健康チェック：
定期的に獣医師の診察を受け、早期発見と早期治療を行うことが大切です。

当院では、専門性の高い犬猫の皮膚治療を行っております。
客観的なデータを元に当院としての意見をお伝えします。
データがない場合は、当院で再検査をお受けいたします。
飼い主様の不安を取り除くため、親身に対応させていただきます。

近隣の動物病院様からのご紹介による検査や診療も承っております。
お電話やメールでのセカンド・オピニオンは誤解を生む原因となりますので、全てのデータをお持ちの上、来院し診察を受けてください。

院長プロフィールはこちら

詳しくはお電話にてお問い合わせ下さい。

TEL.06-6753-7542

皮膚科の主な治療疾患

アレルギー性皮膚炎

かゆみや赤み、湿疹などの症状が出る皮膚のアレルギー。食べ物や環境要因（花粉・ハウスダストなど）が原因になることも。適切な診断と治療で、快適な生活をサポートします。

非炎症性の脱毛

炎症がないのに毛が抜けてしまう状態。ホルモン異常や遺伝的要因が関係することがあり、原因を見極めた上で適切な治療が必要です。

毛周期停止（アロペシアX、ポメラニアン脱毛症）
内分泌疾患

皮膚感染症

細菌や真菌（カビ）による皮膚の炎症。かゆみ、赤み、フケ、脱毛などが見られます。早めの治療が大切です。人にも感染するリスクもあります。

皮膚のできもの・イボなど

良性・悪性さまざまな種類があり、見た目だけでは判断が難しいことも。気になるできものは、早めの診察をおすすめします。小さなイボなどは全身麻酔なしで切除することも可能です。

皮膚イボレーザー治療

耳の疾患

耳のかゆみ、臭い、赤み、黒い耳垢、痛みなどは外耳炎や耳ダニ感染のサインかも。放置すると慢性化しやすいので、早めの診察をおすすめします。

外耳炎
中耳炎

皮膚の病気参考サイト

疥癬の症状と原因、治療法について