避妊・去勢手術について
子どもを作らないようにするためだけではない避妊・去勢
犬は、1年で人間の約5倍~8倍歳をとります。
人と同じく、高齢になるにつれて機能がおとろえ、
病気になる事が多く、
しらないうちに進行する病気も増えてきます。
気付いた時は遅かった…
となる前に定期的な健康チェックをおすすめしております。
手術のメリット
男の子の場合
- マーキング・マウンテングなどの問題行動を防ぐことができる
- 高齢になってからの前立腺の問題を予防できる
- 肛門周囲の腫瘍の発生を予防できる
- 精巣腫瘍の発生を予防できる(特に潜在精巣)
女の子の場合
- 子宮蓄膿症(子宮に膿がたまる病気)を予防できる
- 会陰ヘルニアの発生を予防できる
- 乳腺腫瘍ができる確率を下げることができる
- 卵巣腫瘍などの卵巣の問題を予防できる
- 望まない妊娠を避けることができる
特に雌の犬、猫の場合、乳腺腫瘍ができてしまうと…
良性の腫瘍である可能性…50%
悪性の腫瘍(ガン)である可能性…50%
良性の腫瘍である可能性…20%
悪性の腫瘍(ガン)である可能性…80%
時期は生後6ヶ月くらいがベスト
早めに避妊手術を行う事で、飼主様の心配も軽減されます!
初回 発情前 | 2回目の 発情前 | 2回目の 発情後 | 4回目の 発情以降 | |
---|---|---|---|---|
発生 確率 | 0.05% | 8% | 26% | 予防効果 なし |
6ヶ月齢 | 7〜12 ヶ月齢 | 13〜24 ヶ月齢 | 24ヶ月 齢以降 | |
---|---|---|---|---|
発生 確率 | 9% | 14% | 89% | 予防効果 なし |
手術のデメリット
男の子の場合
- 全身麻酔が必要になる
- 太りやすくなる
- 体質により縫合糸に対してアレルギーを起こすことがあると報告されている(縫合糸肉芽腫)
女の子の場合
- 全身麻酔が必要になる
- 太りやすくなる
- 体質により縫合糸に対してアレルギーを起こすことがあると報告されている(縫合糸肉芽腫)
- ホルモン関連性尿失禁の報告
縫合糸肉芽腫とは
一般的な多くの手術では、血管や組織を結ぶために様々な縫合糸を使用します。
その為、縫合により麻酔時間が延長し、手術後に縫合糸が体内に残ってしまいます。
まれに、安全性の高い縫合糸を用いているにも関わらず、身体が異物(縫合糸)に反応して
「縫合糸反応性肉芽腫」という病気を引き起こす事があります。
術後数カ月~数年後に炎症やシコリを作り、進行すれば皮膚に穴があき排膿、出血してしまいます。
治療は、手術して肉芽腫と異物(縫合糸)を取り除くか、長期的な投薬(ステロイドや免疫抑制剤など)が必要になります。
ピース動物病院での対策
全身麻酔に対しての対策
可能な限り術前検査(血液検査・胸部X線検査)を実施して、余病が無いか早期発見につとめます。
縫合糸に対する異物反応、縫合糸肉芽腫に対しての対策
当院では血管シーリングシステムを採用する事により発生頻度を低くするよう努めております
血管シーリングシステムって何?
- 血管を糸で結紮する(縛る)のではなく電気メスを利用して血管をシール(密封)することのできるシステムです。
- 縫合をする時間が無いので手術時間を大幅に短縮することが可能です。
- 結果、全身麻酔の時間が短くなり、動物達の負担が軽くなる。
(麻酔のリスクが高い高齢の動物や重症の動物にとって何よりのメリット)
血管シーリングシステム使用での利点(まとめ)
- 体の中に極力、糸(異物)を残さない手術が可能
→ 縫合糸肉芽腫の予防 - 手術時間が大幅に短縮され、動物の負担が軽減
- 安全、確実な止血が可能なため難易度の高い手術を出来るだけ安全に行う事が出来る
- 去勢・避妊手術から出血の多い腫瘍摘出まで使用可能
太りやすくなることについての対策
そこで、低カロリーで美味しい食事をご用意しております。詳しくはお問い合わせ下さい。
手術の流れ
手術の前日までに1度来院して頂き、健康診断(血液検査・X線検査)を受けて頂きます。
手術当日は、午前中に来院して頂きます。
去勢・避妊手術は基本的に日帰りで行っております。
(もし心配な様でしたら1泊入院も可能です。)
医院から飼い主様へのお願い
ご家族での話し合いもしっかり行っていただきますようお願いいたします。
手術にはメリット/デメリットがあります。ご家族でよく相談をして判断してください。
ただ「いつかは手術が必要よね・・・」
と家族の意見が一致している場合には、少しでも早く手術を受けることのほうが意義があると思われます。