犬の耳の後ろにかさぶたができている?|原因や対処法を獣医師が解説

犬の耳の後ろにかさぶたができている?|原因や対処法を獣医師が解説

愛犬を撫でている時に、耳の後ろにかさぶたがあることに気がついたことはないでしょうか?
耳の後ろのかさぶたは単なる引っ掻き傷の場合もあれば、皮膚病やアレルギーのサインであることもあります。

この記事では犬の耳の後ろにかさぶたができる原因と、正しい対処法を解説いたします。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の皮膚の健康を守るためにお役立てください。

飼い主に抱かれて周りを見つめる犬

なぜ耳の後ろにかさぶたができるの?

犬の耳の後ろは、毛が柔らかく皮膚も薄い部分です。
毛が絡みやすく、蒸れやすいことから痒みがでやすい場所です。
耳の後ろにかさぶたができる主な原因や治療法をご紹介しましょう。

外耳炎

外耳炎は耳の中に炎症を起こす疾患です。

耳の中に炎症が起きると、痒みや痛みで犬が後ろ足で耳を掻いたり、頭を振ったりします。
その結果、耳の後ろの皮膚が傷ついてかさぶたができることがあります。
代表的な外耳炎のサインは以下です。

  • 耳をよく掻く、頭を振る
  • 耳の中が赤くなる
  • 耳の匂いが強くなる
  • 茶色や黒色の耳垢が増える

外耳炎の治療は、下記の治療法を組み合わせて行われます。

  • 耳の洗浄
  • 点耳薬
  • 内服薬(抗生剤、抗真菌剤、抗炎症薬)

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎はアレルゲン(アレルギーの原因物質)に反応して、痒みや赤みなどの皮膚症状が出る病気です。
主に痒みによって引っかいてしまうことが原因で耳の後ろにかさぶたができることがあります。

アレルギー性皮膚炎には以下のような種類があります。

  • 犬アトピー性皮膚炎
  • 食物アレルギー
  • ノミアレルギー性皮膚炎

これらのアレルギーによって皮膚に炎症が起きるとみられる症状は以下の通りです。

  • 体や耳を掻いたり、床に擦り付ける
  • 皮膚がきれいな状態でも痒みがでる
  • 耳の後ろ以外にも赤みやフケ、ベタつきがある
  • 季節や食べ物で悪化・改善を繰り返す

犬のアレルギー性皮膚炎はさまざまな要因が重なって発症する場合もあります。
そのため、症状や検査結果に応じて、以下のような治療を組み合わせていくことが一般的です。

  • 抗アレルギー薬やステロイドの使用
  • 抗生剤、抗真菌剤の使用
  • シャンプーの実施、皮膚の保湿(スキンケア)
  • アレルゲンの除去(環境の整備)
  • 食事療法

皮膚の痒みやかさぶたが繰り返される場合は、アレルギーが関係している可能性があります。
早期に原因を突き止め、適切な治療を行うことが大切です。

細菌性皮膚炎・マラセチア性皮膚炎

細菌感染やマラセチア感染によって皮膚炎が起きると、アレルギー性皮膚炎と同様に皮膚に痒みや赤みがでます。
細菌性皮膚炎、マラセチア性皮膚炎の場合は、かさぶたが耳の後ろだけでなく、全身に認められることも多いです。
マラセチア性皮膚炎の際は、特にベタつきや体臭が強くなることも特徴です。

細菌性皮膚炎、マラセチア性皮膚炎の治療は次のようなものがあります。

  • 抗生剤、抗真菌剤の使用
  • シャンプーの実施、皮膚の保湿(スキンケア)
  • 痒みどめの使用

寄生虫(ノミ、ミミダニ、マダニなど)

ノミやミミダニなどの寄生虫が皮膚に寄生すると、強い痒みにより犬が後ろ足で耳の後ろを引っ掻いてしまいます。
特にノミは、唾液にアレルギー反応を起こす「ノミアレルギー性皮膚炎」の原因にもなります。
また、マダニの寄生によって皮膚の炎症や腫れが起こることも。

寄生虫が関係している場合、次のような症状も見られる場合があります。

  • かさぶたが首や背中、しっぽの付け根付近にもできる
  • 家族や他のペットにも痒みがでることがある
  • 虫体や黒いノミ糞が身体に付着している
  • 刺された部位に赤い発疹や腫れがある

寄生虫が疑われた場合の対処法は、以下のとおりです。

  • 駆虫薬の使用
  • 虫体の除去
  • シャンプーの実施

皮膚にトラブルを起こす寄生虫の多くは予防薬で防ぐことができるため、定期的な駆虫と環境管理が重要です。
とくに春から秋にかけては、寄生のリスクが高まりますので注意しましょう。

外傷

遊びの途中で引っ掻いたり、他の犬と遊んでいたときにできた小さな怪我がかさぶたになることもあります。
外傷によるかさぶたが、ごく軽度であれば数日で自然に治癒するでしょう。
外傷の程度に応じて、

  • 傷口の洗浄
  • 外用薬の塗布
  • 抗生剤の内服
  • エリザベスカラーの着用

といった治療が行われる場合があります。

耳をかいている柴犬

動物病院に相談した方がいいケース

耳の後ろのかさぶたは軽度であれば数日で良くなることもありますが、

  • かさぶたが増える
  • 同じ場所に繰り返しかさぶたができる
  • 皮膚が赤くなる
  • 痒みが続いている

といった症状が見られる場合は動物病院を受診するようにしましょう。
もし、すぐに病院に来れない場合は掻きむしって悪化しないようにエリザベスカラーなどを着用するといいかもしれません。

耳の後ろのかさぶたの予防と日常ケアのポイント

耳の後ろのかさぶたを予防するには、日常のケアが重要です。
耳の後ろは見えにくく、毛も細く絡まりやすいのでこまめにブラッシングをしながら日常的に皮膚の状態を確認していきましょう。
また、以下のようなことを心がけ皮膚や耳の環境を整えていきましょう。

  • 定期的な耳掃除を行う
  • こまめなブラッシングを行う
  • 食事管理(アレルギー対策)をする
  • 低刺激性のシャンプーを使い、毛をしっかり乾かす
  • ノミ・ダニ予防薬を毎月続ける
  • 日常的にスキンチェックをする
耳をブラッシングされるトイプードル

まとめ

犬の耳の後ろのかさぶたは皮膚炎や外耳炎、寄生虫のサインである場合があります。
耳の後ろは特に見えにくい場所のため、ブラッシングなど日頃のお手入れの際などに確認するようにしましょう。

当院は皮膚科に力を入れています。
耳の後ろのかさぶたや痒みに気づいた場合はお気軽に当院にご相談ください。

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