犬の肛門嚢破裂にレーザー治療が使われる?|症状や治療の流れについて

犬の肛門嚢破裂にレーザー治療が使われる?|症状や治療の流れについて

床に腹ばいになってお尻を向ける犬

「犬のお尻が赤く腫れている」
「座り方やしっぽの動きがおかしい」
「お尻から膿や血が出てきた」

このような症状が見られる場合、犬の肛門嚢が破裂している可能性があります。
肛門嚢は肛門の両脇にある小さな袋で、分泌液を溜める役割を持っています。
肛門嚢が炎症や感染を起こすと膿がたまり、最悪の場合は皮膚が破裂することも。

今回は犬の肛門嚢破裂について、症状や原因、治療方法のひとつであるレーザー治療について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の肛門嚢破裂の早期対応にお役立てください。

肛門嚢破裂はなぜ起こる?

犬の肛門嚢破裂は、多くの場合「肛門嚢炎」が進行して起こります。
肛門嚢炎の主な原因は以下の通りです。

  • 肛門嚢の排出不良(体質や形態異常)
  • 細菌感染
  • 慢性的な便秘や下痢
  • 腫瘍による圧迫

特に小型犬や高齢犬では肛門嚢の分泌が滞りやすいです。
肛門嚢の分泌物がうまく排出されない状態が続くと細菌が繁殖し、炎症・膿の蓄積を経て破裂に至ります。
また、肥満や運動不足も肛門嚢炎リスクを高めるため、注意が必要です。

椅子の下に潜り込んでお尻だけ出す犬

肛門嚢破裂の主な症状

肛門嚢破裂が起こると、以下の症状が見られます。

  • 肛門周囲の腫れ、発赤
  • 強い痛みや違和感
  • 膿や血液の排出
  • お尻をこすりつける行動
  • 発熱や食欲低下

破裂してしまった場合でも、すぐに処置を行えば回復は可能です。
ただし、放置すると感染が広がり、全身状態が悪化するため、油断は禁物です。

肛門嚢破裂の治療の基本

肛門嚢破裂の初期治療では、

  • 膿や壊死した組織の除去
  • 洗浄と抗菌薬の投与
  • 痛みのコントロール

などが行われます。
再発を繰り返す場合や慢性化している場合は、「肛門嚢摘出手術」が検討されます。

レーザー治療が役立つ場面

肛門嚢破裂の際には、レーザーを使用することが可能です。
肛門嚢破裂が起こった時は、洗浄後にレーザーを当てることで症状が緩和します。
レーザーによる治療では以下の効果が期待できます。

  • 出血の軽減
  • 炎症や痛みの緩和
  • 感染部位の殺菌効果
  • 血流の改善による治癒の促進

肛門嚢切除が必要になった際にもレーザーによる切開や凝固治療が検討されます。
レーザーによる治療は痛みが少ないため、肛門周囲のようなデリケートな部位では、とくに有効です。

また、レーザー治療は、腫瘍の進行を遅らせる効果もあります。
そのため、腫瘍性病変を伴う複雑なケースにも対応可能です。

がんとレーザー治療についてはこちらの記事もご覧ください。

犬のがんにレーザー治療の選択肢|体にやさしい選択肢として注目される理由とは

レーザー治療が向いているケース

肛門嚢破裂のレーザー治療は

  • 再発を繰り返す肛門嚢炎や破裂
  • 全身状態が悪く、負担を減らしたい場合
  • 高齢犬で術後回復を早めたい場合

などに適しています。

レーザー治療は全身麻酔の負担を軽減できることもあり、症例によっては局所麻酔や短時間の処置で対応できるケースもあります。

また、肛門付近は非常にデリケートです。
肛門嚢を外科的に処置すると排泄などで痛みを感じることもあります。
レーザーでの治療は犬への術後の体の負担を減らす可能性があります。

予防と早期発見のポイント

肛門嚢破裂を防ぐためには、定期的な肛門嚢からの分泌物の排泄(肛門腺絞り)や健康チェックが重要です。
お尻の臭い、腫れ、座り方の変化など、些細な変化にも気づくことが早期発見につながります。
とくに過去に肛門嚢炎を起こした犬は再発しやすいため、注意が必要です。

お尻を向ける2匹の子犬

まとめ

肛門嚢破裂は、犬に強い痛みと不快感を与えるだけでなく、感染のリスクも高い病気です。
再発や慢性化を防ぐためには、状況に応じてレーザーを用いた外科的治療が有効なこともあります。

当院では、肛門嚢破裂の症状や再発の有無、愛犬の体調に合わせて最適な治療法をご提案いたします。
お尻の腫れや膿の排出が見られる場合は、早めにご相談ください。

東大阪市の動物病院
ピース動物病院