「尻尾の付け根を噛んだり、舐めたりしている」
「尻尾を追いかけてグルグル回ることが多い」
「尻尾を触ろうとすると嫌がるようになった」
このような様子が見られ、心配されている飼い主様も多いのではないでしょうか。
もしかしたら、尻尾の付け根にかゆみなどの皮膚トラブルをかかえているかもしれません。
尻尾の付け根のかゆみは症状が進行するまで飼い主様が気づきにくいという特徴があります。
本コラムでは、犬が尻尾の付け根をかゆがる主な原因と予防について、わかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬が尻尾の付け根をかゆがった時の参考にしていただければ幸いです。

尻尾の付け根をかゆがっている時のサイン
犬は尻尾の付け根が痒くても言葉で伝えることができません。
尻尾の付け根にかゆみがある場合、次のような様子がよく見られます。
- 尻尾の付け根をしきりにかむ、なめる
- 腰から尻尾にかけて頻繁に気にする
- 床や家具におしりをこすりつける
- 急に振り向き尻尾の方を見る
- 腰まわりの被毛が薄くなる
このような様子が見られる場合、尻尾の付け根にかゆみや不快感を感じている可能性があります。
尻尾の付け根はなぜかゆみが出やすいの?
犬の尻尾の付け根は皮脂腺が多く、被毛におおわれて蒸れやすい部位です。
そのため、皮膚のバリア機能が低下すると、汚れや細菌が増えやすく、皮膚のかゆみや炎症が起こりやすくなります。
特に、皮膚にしわやくぼみができやすい犬種は、湿気や皮脂がたまりやすく、慢性的な皮膚トラブルにつながることがあります。
注意が必要とされる犬種には、
- 柴犬
- フレンチ・ブルドッグ
- パグ
- ブルドッグ
などがあげられます。
ただし、どの犬種でも起こり得る症状であるため、日ごろのチェックが大切です。
尻尾の付け根をかゆがる主な原因と症状
犬が尾の付け根をかゆがる原因には次のようなことが考えられます。
ノミアレルギー性皮膚炎
尻尾の付け根のかゆみで特に多い原因のひとつが、ノミアレルギー性皮膚炎です。
犬がノミに刺された際、ノミの唾液に対して強いアレルギー反応が起こり、激しいかゆみを引き起こします。
- 非常に強いかゆみ
- 腰から背中にかけて脱毛
- 粟粒大の発疹や赤み
といった症状があらわれます。
室内飼育メインの犬でも、散歩や人の出入りを介してノミが持ち込まれることがあります。
ノミアレルギー性皮膚炎はわずかなノミの寄生でも症状が出る点に注意が必要です。

アレルギー性皮膚炎|犬アトピー性皮膚炎・食物アレルギー
アレルギー体質の犬では、尻尾の付け根を含む全身にかゆみが出ることがあります。
犬がアレルギーを起こす原因には、
- 花粉やカビなのでの環境アレルゲン
- ハウスダスト
- フードやおやつに含まれる特定の食材
などがあげられます。
アレルギーのある犬では、尻尾の付け根をかゆがるだけでなく、耳や足先などからだの他の場所もかゆがることが多いです。
細菌・マラセチアの感染
皮膚のバリア機能が低下すると、皮膚の常在菌である細菌やマラセチアが異常増殖し、皮膚炎を起こします。
細菌やマラセチアが感染すると、
- ベタつき
- かゆみ
- 皮膚の赤み
- 強いにおい
といった症状がみられ、尻尾の付け根は悪化することが多い部位です。
肛門腺のトラブル
肛門腺に分泌液が溜まりすぎると、不快感やかゆみから尻尾の付け根を気にすることがあります。
肛門腺のトラブルが起こると、
- 肛門をしきりになめる
- おしりを床にこすりつける
- 尻尾の付け根をかむ
といった行動が多くなります。
肛門腺の分泌液がたまりすぎると、肛門腺が破裂してしまうこともあり注意が必要です。
肛門腺のトラブルは小型犬に多い傾向があります。
内部寄生虫
消化管内に寄生虫がいる場合、肛門周囲に違和感を感じ、尻尾の付け根をかゆがることがあります。
このような症状をもたらす寄生虫の代表は瓜実条虫(ウリザネジョウチュウ)です。
この寄生虫の一部が肛門周囲に付着するとかゆみや不快感の原因になることがあります。

尻尾の付け根のかゆみを予防するには
愛犬が尻尾の付け根をかゆがり掻いたりなめたりしている姿は、見ていてつらいものです。
皮膚の健康を保ち、かゆみを防ぐためには日常のケアが大切です。
ノミ・ダニの予防
ノミアレルギーのかゆみは、尻尾の付け根から背中にかけて強く出やすいのが特徴です。
定期的なノミ・ダニ予防は、かゆみや皮膚炎の予防につながります。
たまにしか外出しない室内メインの犬の場合も、定期的な予防は大切です。
アレルギーや食事の管理
アトピーや食物アレルギーがある犬では、かゆみの原因となるアレルゲンを避けた生活環境や食事管理が重要です。
フード変更は、獣医師と相談しながら行いましょう。
こまめな皮膚チェック
定期的なブラッシングやスキンシップは、皮膚の異変に気づく大切な機会になります。
日ごろから、次のポイントを意識してチェックしてみましょう。
- フケが増えていないか
- 皮膚が赤くなっていないか
- 脱毛しているところはないか
- 触った時に嫌がるところがないか
少しでも気になる変化があれば、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
定期的なスキンケア
愛犬の皮膚の状態にあったシャンプーを使い、定期的にケアしてあげましょう。
シャンプーの時間は、皮膚のコンディションを確認できる大切な機会でもあります。
適切なシャンプーは、皮膚の乾燥や過剰な皮脂を防ぎ、細菌やマラセチアが増えにくい皮膚環境を保つことにつながります。
まとめ|尻尾の付け根のかゆみは早期対応が大切
犬が尻尾の付け根をかゆがる症状は、軽い皮膚トラブルのように見えても、
アレルギーや感染症、寄生虫などが関係していることも。
原因を早期に見極め、適切な治療とケアを行うことで、再発を防ぎ、
愛犬の生活の質を大きく改善することができます。
当院では、皮膚トラブルの原因を丁寧に確認し、愛犬に合わせた治療をご提案しています。尻尾の付け根のかゆみが気になる場合は、お気軽にご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q.犬が尻尾の付け根をかゆがる場合、どのような原因が考えられますか?
A.犬が尻尾の付け根をかゆがる場合、ノミアレルギーやアレルギー性皮膚炎、細菌や真菌の増殖、肛門腺のトラブルなどが関係していることがあります。
原因は一つとは限らず、複数の要因が重なっているケースもあります。
Q.尻尾の付け根をかゆがっていても、様子を見てよい場合はありますか?
A.一時的な行動であれば自然に落ち着くこともありますが、かむ・なめる行動が続く場合は注意が必要です。
皮膚の赤みや脱毛が見られる場合は、早めに原因を確認することが安心につながります。
Q.尻尾の付け根のかゆみは、日常生活で予防することができますか?
A.定期的なノミ・ダニ予防や、皮膚の状態に合ったシャンプー、日ごろの皮膚チェックは予防につながります。
気になる変化が続く場合は、当院で皮膚や肛門腺の状態を含めて確認することも可能です。
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